「フルヤのウインターキヤラメル」 約40年ぶりに冬季限定で復刻販売

札幌のショコラ専門店「ショコラティエ マサール」が、北海道民に愛された往年の銘菓、「フルヤのウインターキヤラメル」を約40年ぶりに“冬季限定”復刻販売。
50代以上の北海道民であれば一度は口にしたことのあるあの味が、その一族の末裔の手によりついに復活いたします。

目次

古谷製菓「フルヤのウインターキヤラメル」の概要

古谷製菓とは北海道札幌市にあった製菓メーカーです。創業者はショコラティエ マサール現代表、古谷 健の曽祖父である、古谷 辰四郎。1900年札幌市にて古谷商店として創業し、乾物商、精米、黒糖加工業を経て製菓メーカーとして飛躍しました。1952年に古谷製菓株式会社に商号変更し数々のヒット商品を生み出しました。埼玉県与野市(現在のさいたま市)に工場を建設するなど首都圏のマーケットまで進出し一時は銀座にネオンサインを掲出し、日本テレビ系列などで提供番組を持つなど隆盛を誇りました。1984年、ナショナルブランドとの競争の波に飲まれ残念ながら、84年の歴史に幕を下ろしました。

「フルヤのウインターキヤラメル」はその古谷製菓を代表する商品でした。発売されたのは今から約90年前の1931年(昭和6年)。ショコラティエ マサール現代表の祖父、二代目古谷 辰四郎の代のことでした。
北海道の寒さに対応するためミルクとバターをたっぷり使い、煮詰める時間を短くして冬でも固くならないように仕上げた冬季限定商品でした。
発売当初はオブラートに包んでおり、スキーやスケートを楽しんでいる時、手袋を脱がずに簡単に口の中に放り込めるということで、またたく間に全国区の人気商品となりました。

復活までの道のり

「フルヤのウインターキヤラメル」復活までの道のりは決して平坦なものではございませんでした。 さかのぼること 2010 年冬、ショコラティエ マサール創業者の古谷勝が外部委託製造により再販にこぎつけました。当時勝は新聞の取材に対し「創業家の一人としてフルヤ本来の味を残したい」「私にとっ て原点のような商品」と語っております。 しかし再販後まもなく、委託先の会社の倒産により継続的な再販の道は閉ざされてしまったのです。

それから 5 年。勝は志半ばで他界してしまいました。
その後マサールを継承した私、古谷健の心の中にも、いつしか「ウインターキヤラメルを復刻させた い」という使命感が宿っていることに気がつきました。 当初は先代同様、外部の委託製造先を探しましたが、製造ロットが折り合わなかったり、試作品に満足 できずなかなか前に進めません。何度か諦めかけましたが、「ひょっとしてこれは自分自身の力で再現し なさい。」というご先祖様や先代からのメッセージなのかもしれないと考えるようになりました。

そこで自社開発に切り替えることに致しました。まず、取り組んだのは当時の材料表をもとに現在手に 入る材料を探すことからです。何しろ 40 年以上も前の材料表。現在は流通していないものも多々あり、 代替品を探すだけで数ヵ月を要しました。何とか材料は集められたものの、その後何度も何度も試作と 失敗を繰り返しました。そもそも材料表は残っていたものの、製造工程に関する資料がまったくありま せん。

砂糖や水あめ、バターを火にかけるタイミングもわからず、キャラメルの状態を見極め火を止める タイミングなどの経験値もありません。私自身、小学生当時の味覚の記憶をたどりたどりの試行錯誤の 連続でした。 途方に暮れる中、一筋の光を与えてくれたのは古谷製菓 OB、OGの皆さんでした。 たまたま私が<ウインターキヤラメル>復刻に取り組んでいるということを、地元新聞や TV 局が報 道してくれたことをきっけかに、すでに90代を迎える古谷製菓 OB、OG の皆さんがマサールまで応援に来てくれたのです。

古谷製菓倒産時には一方ならぬご苦労をお掛けした皆さんが、その一族の末裔である私からの相談に も関わらず、快く懐かしい工場風景や当時の人間模様を私たちに語ってくれました。 また、その後我々が相談でお持ちする試作品に対して、「色が違う!」「固い!」などなど往年の工場長 さながらの叱咤激励と<ウインターキヤラメル>製造のノウハウをご指導頂きました。 こうして紆余曲折、多くの皆様のご協力で何とか形になった復刻「フルヤのウインターキヤラメル」。 「古谷製菓が製造していたものと全く同じものか?」と問われれば「全く同じ」とはお答えできませ ん。

しかし今私たちができる精一杯を傾け、ショコラティエ マサールの礎を築いてくださった先人たちへ の敬意、道民の皆さんが子供のころポケットに忍ばせたウインターキヤラメルとの甘い記憶に心から思 いを馳せたことは誓うことができます。 この一粒が北海道民の古き良き時代の記憶を手繰り寄せる一粒になり、明日に向かう若々しい活力を 取り戻す一粒になれるとしたらこれに勝る喜びはございません。

すべての北海道民に感謝を込めて。

ショコラティエ マサール 二代目代表 古谷 健

※プレスリリース添付資料「ウインターキヤラメル復活までの道のり」より転載

ショコラティエ マサールについて

ショコラティエ マサールは古谷製菓倒産後の1988年、古谷製菓の創業者・古谷 辰四郎の孫である古谷 勝がパリの街角で出会ったショコラの味に魅了され札幌で開業いたしました。家業再興への情念を秘めていたことは言うまでもございません。現在では札幌市内に3店舗、新千歳空港内に2店舗を構え“北海道のショコラトリー(チョコレート専門店)”として地元の方々から親しまれております。この新型コロナ禍において新千歳空港を中心に北海道の観光市場は大きなダメージを受けておりますが、おうち時間、リモートワークのお供のスイーツとして、急増する全国からのお取り寄せ需要に対応すべくECサイトの充実にも力を入れております。

美味しいショコラを札幌から――。創業以来、私たちは手作りの「ショコラ」の美味しさを多くのお客様へ伝えることを使命に、チョコレート作りを続けてまいりました。私たちのショコラは、いつまでも手作りの味を忘れません。北海道という恵まれた風土と世界中から選りすぐったカカオ、そしてショコラへの情熱に育まれた「ショコラティエ マサール」のこだわりをお届けしています。

「フルヤのウインターキヤラメル」販売概要

冬季限定販売
・2021年3月(約1ヵ月間の期間限定):ショコラティエ マサール本店、札幌三越店、札幌駅パセオ店にてテスト販売スタート
・2021年冬~:ショコラティエ マサール各店及びオンラインショップなどで順次販売スタートを予定

1箱10粒入 800円(税別)

情報元:北海道民に愛された<フルヤのウインターキヤラメル>が 約40年ぶりに冬季限定で復刻販売

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