札幌から富良野へ向かうドライブの途中、少し寄り道をしてみませんか?
道道沿いにひっそりと佇む三笠市立博物館は、知る人ぞ知る穴場スポットです。
市立博物館だからと侮るなかれ。ここでは他では味わえない展示がズラリで、良い意味で期待を裏切ってくれる施設でもあります。
日本一の展示を誇る博物館
三笠市は、道外の方にはあまりなじみのない土地かもしれませんが、かつては石炭採掘で栄え、北海道鉄道発祥の地としても知られる町です。
その三笠市、道道116号線沿いに建つ三笠市立博物館。
この博物館の展示は、明治・大正といった近代史にとどまらず、時代をさらに遡り、縄文・弥生を通過し、展示はさらに時代を遡り、約1億年前の白亜紀を扱う内容へと続きます。
特に有名なのが、アンモナイトの化石展示で、展示数はおよそ600点にのぼり、アンモナイトの展示数としては日本一を誇ります。
さらに特徴的なのが展示方法で、ケースに収められていない化石の多くは、実際に触れることができます。
もっとも、ケースに入らないほど巨大なものばかり、という理由もありますが、目の前でその大きさを実感できる体験は、なかなかできるものではありません。
白亜紀の海を泳いでいた生物が、これほどのサイズだったのか。
実物を前にすると、素直に驚かされます。
展示スペースの見どころ
館内のメイン展示室に入ると、まず目に飛び込んでくるのが沢山の巨大なアンモナイトです。
床に据え置かれたその姿は圧巻で、博物館というより地層の一部を切り取ってきたような印象を受けます。
アンモナイト以外にも、三笠の名を冠した「エゾミカサリュウ」の化石や、「モモサウルス」の全身骨格などが展示されており、恐竜展示も充実しています。
恐竜に詳しい方であれば、展示内容にやや違和感を覚える部分もあります。
それが、アロサウルスの全身骨格レプリカです。
展示されているアロサウルスは、上体を起こした直立姿勢を取っています。
しかし、現在の主流な学説では、獣脚類恐竜は体と頭部を地面とほぼ平行に保ち、尾をバランスとして用いる姿勢で行動していたと考えられています。この姿勢であれば、俊敏な動きや効率的な狩りが可能だったとされています。
その点、この展示姿勢では尾を引きずる形になり、機動性には疑問が残ります。
なぜこの姿勢のまま展示されているのか、明確な理由は分かりませんが、発掘、復元当時の学説に基づいた姿を、あえて修正せずに残しているものと思われます。
歴史ある博物館であることを考えれば、展示そのものが当時の恐竜観を伝える資料である、という見方もできるでしょう。ただ、現代の研究成果を知っていると、更新されていない点が少し気になるのも事実です。
もっとも、エゾミカサリュウを巡って恐竜ブームが一気に盛り上がった三笠市です。
学術的な正確さよりも、恐竜の魅力が先に伝わってしまうあたりは、いかにも三笠らしい、と少し皮肉を込めて眺めるのが正解かもしれません。
アンモナイトといえば、あのポケモン
アンモナイトと聞いて、あるポケモンを思い浮かべる方も多いでしょう。
三笠市立博物館の敷地内には、そのアンモナイト由来で知られるポケモンが描かれたマンホール、通称「ポケふた」が設置されています。
描かれているのは、北海道応援隊として知られる「ロコン」、アンモナイトを思わせる姿の「オムナイト」、そしてパキケファロサウルスをモチーフとした「ズガイドス」です。恐竜と化石の町・三笠らしい組み合わせと言えるでしょう。
全国各地に設置されているポケふたの中でも、このデザインが見られるのはここだけです。
設置場所は館内外のいずれかにありますので、来館の際には探してみるのも楽しみのひとつです。
北海道の歴史を伝える展示
博物館の展示は、恐竜や化石だけにとどまりません。
三笠市が歩んできた炭鉱の歴史や、集治監に関する展示を通じて、北海道開拓の裏側にある、あまり語られてこなかった側面にも触れることができます。華やかな開拓史とは異なる、現実的で重たい歴史が紹介されています。
屋外には「三笠ジオパーク」として、約1億年前に形成された地層や、実際に使われていた炭鉱跡が保存されています。
全長およそ1.2kmの散策コースが整備されており、展示室で得た知識を、実際の地形や地層を見ながら確かめることができます。
雪のない季節に訪れれば、地層や風景を通して、三笠の大地が刻んできた長い時間を実感できるでしょう。
屋内展示とあわせて巡ることで、この博物館の魅力がよりリアルに見えてきます。
ドライブの途中に立ち寄る場所としては、少々濃すぎるかもしれませんが、だからこそ印象に残るかもしれません。
札幌と富良野を結ぶ道中で、少し時間に余裕があれば、三笠市立博物館に足を運んでみてはいかがでしょうか。


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