私の故郷、海の街 釧路。
釧路で生まれ育った人間として、これだけは譲れない。
一番おすすめしたいもの、それは海鮮でも釧路湿原でもない、夕日だ。
釧路は、「バリ島」「マニラ湾」と並んで世界三大夕日と呼ばれる街。
もっとも、そんな事は知らなくてもいい。
まん丸の太陽が、音もなく海の向こうに沈み、空も水面もオレンジ色に塗り替えられる。
その光景を一度見れば、余計な説明は不要。
これが釧路の夕日だ。
釧路の夕日は観光客に優しくない
まず前提として理解してほしい。
釧路の夕日は毎日見れる訳ではないという事を。
天気が悪ければ見れないのは当たり前だが、夏は霧が出る。普通に出る。
季節によって霧や曇りが多く、晴れのタイミングを狙う必要がある気象パターンが釧路の日常だ。
毎年夏には「霧フェスティバル」なんてお祭りが開催され、海沿いの霧に色とりどりのレーザービームを照射するショーもあるほどだ。
ポジティブに捉えれば「世界三大夕日」を補うためなのだろうが、「世界三大夕日」放棄するとも言える。
おすすめしたい時期は9月〜11月ぐらいだ。
美しい夕日を見れれば心が洗われるものだろうが、毎日見ていると当たり前になって、特に感動しなくなる。この夕日に心底感動できるのは観光客か、一度、釧路を離れてしまった地元民だ。
夕日はどこで見る
普通、絶景の夕日といえば人里離れた岬や展望台を想像するだろうが、釧路は違う。
釧路随一の繁華街「末広町」から、歩いて数分の観光ガイドにも必ず載る「幣舞橋(ぬさまいばし)」だ。
普通であればこれだけ有名なスポットであれば、激混みして然りであるが、混み合うことはない。
無論、観光客やカメラを構えるオヤジはいる。インバウンドは増えたが、それでも混雑とは程遠い。
お祭りでもない限り、市民は中心部にあまり出てこない。
したがって、最高の夕日をのんびりと鑑賞できるのだ。
もう一つのメリット
「幣舞橋」で夕日を見るメリットがもう一つある。
それは、そのまま海鮮居酒屋に雪崩れ込むことができる。
この動線の短さ、地味に異常なのかもしれない。
30分ぐらい夕日を見学したした後、それを肴による遅くまでゆっくり酒を飲んで、海鮮を頂くのが実に楽しい。
一人で訪れた場合でも、場末感の漂うスナックにでも凸すれば、コミュ障でないかぎり地元民との交流の始まりだ。
旅の恥を書き捨てて、ぜひチャレンジして欲しい。
リスクはあるが、それでも来る価値はある
はっきり言っておく。
釧路はアクセスが良くない。
まず電車。札幌から釧路まで、JR特急を使っても約4時間半から5時間。本州なら東京から名古屋へ新幹線で行ける。しかも本数は多くない。時間も自由度も奪われる。
次に車。札幌から釧路まで高速道路を使っても約4時間。帯広からでも約2時間、旭川からなら5時間前後。北海道は広く、釧路はその端だ。距離=移動時間がそのまま襲ってくる。
冬なら天候次第でさらに延びる。
飛行機は一見マシに見えるが罠がある。羽田から釧路空港まで約1時間45分で着いても、空港は市街地から約20km離れており、鉄道接続はない。バスで釧路駅までさらに40〜50分。。
つまり釧路は、電車でも車でも飛行機でも遠い。
それでも、わざわざ来る価値があるから、釧路の夕日を、ぜひ見てほしい。
一生の思い出になるだろう。
※画像はイメージです。


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