北海道を舞台にした絵本シリーズの第一作。
小さなおばけのマールと動物たちのおはなしです。
夜の動物園へ行くおばけのマール
マールは、「まちのちかくの まるやま」に住んでいるおばけです。
マールはいつもひとりぼっちでした。
ある夜、マールは山のふもとにキラキラ光る場所があるのを見つけます。友だちがほしかったマールは、山を下りていってみることにしました。
マールがたどりついたのは、動物園。夜の動物園に入っていったマールは、シマフクロウやキリン、ライオンと仲良くなります。それを見ていた飼育委員さんが、マールに「おひさまが のぼったら もういちど どうぶつえんに おいでよ」と言います。
マールは飼育委員さんに言われた通り、一度帰ってぐっすり眠ってから動物園に行ってみました。そこで待っていたのは・・・。
小さなマールのほのぼのとした絵本です。
「まるやまどうぶつえん」は「円山動物園」?
「まるやまどうぶつえん」と聞くと、北海道在住あるいは北海道に詳しい方なら、ピンとくるのではないでしょうか。
絵本では「札幌」や「北海道」という言葉はひとことも出てこないため、架空の世界なのかなとも思えますが、マールの他のシリーズに「ゆきまつり」や「とけいだい」が登場しているので、この動物園も「円山動物園」なのだということがわかります。
マールが住んでいるのも札幌の円山のようです。
実はこの絵本が出版された目的は、人気が衰えていた円山動物園を応援するためだったのだそう。
絵本に登場するキリンやライオンは、出版当時動物園に実際に飼育されていた動物たちがモデルなのだとか。
今では、おばけのマールシリーズは子どもたちに大人気で、10作以上が出版されています。「おばけのマールとまるやまどうぶつえん」はシリーズの第1作で2005年に刊行されました。
シリーズは、それぞれマールが色々な場所へ出かけていき、たくさんの友だちと出会うストーリーです。
他にも札幌市内の色々な公園や、白老町の「民族共生象徴空間ウポポイ」などが登場し、北海道の魅力がつまった絵本になっています。
行ったことがある場所が登場すると、子どもだけでなくおとなもテンションが上がっちゃいますね。
やんちゃで好奇心旺盛なマール
マールは真っ白で丸いフォルム、目がくりくりとしたかわいらしいおばけです。
ちょっとやんちゃなところもあって、動物たちに怒られてしまうシーンもあります。
アップで描かれたシマフクロウの目もとやライオンの口は迫力満点です。一見怖そうですが、無邪気で素直なマールは、動物たちとたちまち仲良しになってしまいます。マールを見つめる動物たちも穏やかで優しい表情です。
朝になって、再び動物園を訪れたマール。さらにたくさんの動物たちと友だちになることができました。もう、さみしくありませんね。楽しそうなマールの表情に、読者も嬉しくなってしまいます。
この絵本の作者は札幌出身の絵本作家けーたろうさん、作画は同じく札幌出身のイラストレーターのなかいれいさん。
北海道への愛にあふれた絵本です。
「おばけのマールとまるやまどうぶつえん」
(C) 絵 なかいれい 文 けーたろう 中西出版


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