剣淵町は旭川から少し北に行った所にある小さな町で、道民以外の方にはあまり知られていません。
人口も多くはなく、観光地として名前が挙がることも少ない町です。
ですが、剣淵町には長年続いている特徴的な取り組みがあり、それが「絵本の町」としての活動です。
魅力がたっぷりあるので、是非観光にきて欲しいと思い投稿します。
剣淵町は「絵本の町」
剣淵町が絵本の町と呼ばれるようになったきっかけは、1988年のことでした。
士別市在住の版画家と、道外の児童書出版社の編集者が町を訪れた際、町の風景を見て「絵本原画を展示する施設があってもよいのではないか」といった提案をしたことが始まりとされています。
この提案をきっかけに、町の商工会青年部を中心として、その年のうちに「けんぶち絵本の里を創ろう会」が発足しました。
絵本原画展の開催など、小規模ながらも継続的な活動が始まり、町も次第に協力や支援を行うようになります。
こうした流れの中で誕生したのが「絵本の館」なのです。
絵本の館

絵本の町である剣淵町の中心となっているのが「絵本の館」です。
1991年8月に開館したこの施設は、絵本・児童書を専門に扱う図書館として整備されました。
建物の大きな特徴は、館内をぐるっと一周できる「たまご型」の構造にあります。直線的な廊下ではなく、緩やかな曲線でつながれた空間になっており、歩いているうちに自然と館内を回遊できる造りになっています。絵本を探すというより、散策しながら出会う感覚に近い構成です。
館内には、年齢や目的に応じて分かれた閲覧スペースがあり、その中でも象徴的なのが「たまごのへや」です。靴を脱いで入るこの空間は、子どもが床に座ったり寝転んだりしながら絵本を読める場所として設けられており、親子連れの利用が多く見られます。静かに本を読むというより、絵本に親しむための部屋といえるでしょう。
併設されている喫茶「らくがき」では、読書の合間に休憩を取ることができます。館内で過ごす時間を区切らず、ゆっくりと滞在できる点も、この施設の特徴の一つです。
また、館内には展示ホールがあり、収蔵されている絵本原画を中心とした企画展示が行われています。原画は約800点におよび、時期ごとに内容を変えながら公開されています。絵本として完成した作品とは異なる、制作過程や筆致を間近で見ることができる場となっています。
蔵書数は4万5千冊を超え、そのうち約3万冊が絵本・児童書です。主要出版社の作品を幅広く所蔵しており、絵本専門図書館としての性格を強く持っています。
この「絵本の館」の開館をもって、「剣淵町=絵本の町」というイメージが形として定着していきました。
「絵本の館」を中心に、剣淵町では絵本に関連したイベントや展示が行われるようになり、町内の学校教育や地域行事にも絵本が取り入れられています。
町おこしの一環として始まった取り組みですが、30年以上にわたって継続されている点が特徴です。
現在では「けんぶち絵本の里大賞」などの事業も行われ、町外から訪れる人も増えています。
道の駅 絵本の里 けんぶち
国道40号沿いにある「道の駅 絵本の里 けんぶち」は、剣淵町を訪れる際の玄関口となる施設です。旭川方面から北上してくると立ち寄りやすく、車移動が中心となる北海道旅行では、休憩地点として利用されることが多くなっています。
かつて施設内には、剣淵町で生産された野菜を使った料理を提供するレストラン「ムーニャ」があり、地域の食材を前面に出した内容は、この道の駅の雰囲気ともよく合っていました。しかし現在、「ムーニャ」は閉店しており、代わって本格的なインドカレーの専門店がオープンしています。
料理としての完成度は高いものの、「絵本の里」という全体のイメージや、地域色を重視した道の駅としての印象を考えると、以前のレストランの方が施設の性格に合っていたと感じる人も少なくないかもしれません。
売店では焼き立てパンや北海道各地のお土産が販売されており、短時間の立ち寄りでも利用しやすい構成になっています。敷地内は見通しがよく、子ども連れでも比較的安心して過ごせる環境です。
また、札幌方面からの高速バスも停車するため、公共交通機関で剣淵町を訪れる場合の拠点にもなっています。トイレは24時間利用可能で、車で北海道を巡る旅行者やキャンピングカー利用者にとっても使い勝手のよい場所です。
まとめ
剣淵町は、大きな観光地ではありませんが、1988年をきっかけに「絵本」を町の特色として育ててきました。
自然に囲まれた環境の中で、絵本に触れながら静かに過ごすことができる町です。
町の周辺には、規模は大きくありませんがアルパカと触れ合える牧場もあり、子ども連れで立ち寄ると、少し和むような時間を過ごすことができます。絵本の館を中心とした落ち着いた雰囲気の中に、こうした素朴な楽しみが点在しているのも、この町らしさの一つかもしれません。
旭川周辺を訪れる機会があれば、少し足を延ばして立ち寄ってみるのも一つの選択肢ですね。


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