札幌の奥座敷のちょっと奥、徒歩で行ける絶景スポット「定山渓ダム」

春頃、定山渓で毎年行われる鯉のぼりを飾るイベントを観に行こうとしたが、ついでに周辺に観光スポットはないか地図を確認してみた。
定山渓には数度行ったが、改めて定山渓ダムが徒歩圏内である事に気付いた。
山歩きまではしたくなかったが、この程度なら良さそうだ。

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熊出没注意は赤い

定山渓は、僧侶の美泉定山が1866年に作った湯治場を由来とする。アイヌ文化以外になると、途端に歴史が浅くなるのが北海道らしい。
山の中のようだが、あくまで札幌市市内である。「札幌の奥座敷」とも言われ、札幌市民が手軽に行ける温泉地として人気のスポットである。

札幌駅から快速バスが通り、地下鉄で真駒内駅まで南下すれば、普段使いの路線バスで行く事が出来るのだが、北海道に来て札幌の温泉地に逗留するというのは観光地などに飽きた、いわゆる枯れた旅行者のやり方だ。
通常は札幌駅周辺のホテルを拠点に、東へ西へ北海道旅行をするもので、往復2時間かけて定山渓は、旅の拠点としては全く適さない。多分そんな理由で、定山渓ダムに向かう道は、ちょっと不安になるぐらい人通りがないのだろう。

定山渓市街から定山渓ダムに向かう道は、アスファルトできちんと舗装されているが、山と隣接している。北海道の山と言えば、もちろんヒグマだ。
お土産物に黄色い「熊出没注意」のステッカーがあるが、ガチのヤツは赤に白文字、目撃情報がマジックで書かれている。
これを見た時のリアルな恐怖感というのは、なかなか伝わりにくい。

空にそびえる

熊よけがてら大声で独り言を言いつつ歩くうち、疲れる間もなく定山渓ダムに到着した。近いは近い。
坂を1つ上がり、カーブを曲がる。

と、いきなり目の前にそびえるコンクリートの城が目に入った。放水側なので、そびえ立つダムがいきなり間近に現れる。
これは圧巻だ。視界が開けたら、ぱっと姿を現すという演出がニクい。

120m近い高さは、ロボットで言えばダイターン3だ。大魔神とかゴーレムとか、そういうもののイメージとも重なる。
考えてみれば、八百万の神々に限らず、川に神格を持たせる発想は一般的だが、それをせき止め制御するダムというのは、「人が作りし神」そのものじゃないか。

ダムの下は公園になっているが、観光客はほとんどおらず、閑散としている。ダムの中に入る事が出来る通路、上にまわる事が出来る階段、資料館など欲しいものがきっちり揃っている。
唯一の欠点は飲食物が売られていない事だが、この観光客の数では致し方がない。
弁当はともかく、水筒か最低限ペットボトルは必須と考えておこう。さもなければ、ダムに上がる階段でバテかねない。

おわりに

今回は春だったが、定山渓の画に描いたような渓流や山並みは、絶対紅葉が映える。冬だとダムは難しいが、露天風呂は雪があってこそだ。
結局いつ行ってもなかなか見応えがある場所である。

北海道旅行の拠点は札幌駅周辺としても、道南に向かう時の小休止にでも寄ってみるのも一興だろう。

※画像は一部イメージです。

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