私は社会人になって7年間札幌に住んでいます。
その間、自家用車を持つことも仕事で運転することもなく、特に不便も感じていませんでした。
転職を機に、車を持つことになり初めての冬の話です。
ペーパードライバーが北海道で車を持つ葛藤
仕事の都合で初めて、自分の車を持ちました。
今までまったくのペーパードライバーだったので、運転はともかく、給油、ウィンカーやドアミラーの操作ボタンがどこかと、分からないことだらけ。中でも一番困ったのが、冬道の運転で、車が教習所で習ったように動かないのです。
ブレーキを踏んでも止まらないし、アクセルを踏んでも滑って動かないし、悪戦苦闘しながらも、生活に必要なことと運転に慣れようとしていた矢先。
朝の通勤中に、車が雪にはまってしまいました。
実際には車が積もった雪の上に乗っかり、タイヤが浮いてしまい空転を繰り返してしまっている状態です。
車を買った時に用意した、雪に埋まった時の対策セットで脱出を試みました。
タイヤと車体の下の雪をスコップでかきだし、スノーヘルパーをタイヤの下に敷き、アクセルを踏む。
1人で30分ほど何度もそれを繰り返しましたが、まったく車は動きません。
頭が真っ白になり、とても暗い気持ちになりました。
困ったときはお互い様
まずは誰に連絡を取るべきかと考えていた時、近くの一軒家から初老の男性が声をかけてくれました。
「大丈夫かい」
パニックになっていた私は「大丈夫です」と言ってしまいました。
しかし男性は動かなくなった車に近寄り、膝をついて車体下をのぞき込むと「完全に腹噛んでるなぁ」と微笑みながら言いました。
そして男性は車と牽引ロープを持ってきて、私の車とつなぎ、引っ張ってもらうと私の車は簡単に脱出できたのです。
感謝の言葉を伝えると、
「今日はあなたで3台目だ。困ったときはお互い様だから」。
疲れ切っていた心が一気にあたたまるのを感じました。
雪はみんなの問題
困ったときは助け合い。
そんな誰でも頭ではわかっているようなことを実際に体験すると、心があたたかくなります。
雪の降る地域では、降らない地域と違った苦労があり、自分が困ったときは周囲の誰かが手を貸してくれる。
自身も自身のできることで、何か与えたいと思っています。
※画像はイメージです。
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