2022年2月、北海道は記録的な大雪に見舞われた。しかも1度ではなく2度。
今回は、この大雪がどのような影響をもたらしたか、振り返っていく。
1度目の大雪
1度目は2月5日-6日にかけての大雪だ。北西の風が石狩地方に短いスパンで吹いた結果、雪雲が石狩地方で大きく発達。札幌を中心に大雪が降った。
札幌では6日午後2時までの24時間の降雪量が60cmとなる記録的な積雪。
電車が丸2日以上止まる
この大雪で除雪が追いつかず、JR北海道は[2月6日正午以降の札幌圏を運行する鉄道(小樽方面・岩見沢方面・千歳方面・札沼線)を終日運休した。
翌7日も始発から運休となり、小樽行きの電車が札幌を出たのは8日の19時半ごろだった。
新千歳空港行きのバスも札幌駅まで来られず
北海道の広い道路も、除雪による雪の壁で埋まって幅が狭くなり、交通渋滞が発生した。快速エアポートも他のJR線同様運休していたため、空港へ向かう主な交通手段はシャトルバスのみであった。そのシャトルバスも交通渋滞を理由に札幌駅始発ではなく、地下鉄東豊線の福住駅発着に変更された。
朝日新聞によれば、福住駅直結のバスターミナルは人であふれ、地下鉄駅からバスターミナルまで長蛇の列ができたという。
2度目の大雪
2度目の大雪は2月21日から23日にかけて降った。
再び電車が止まる
JR北海道管内では21日の始発から22日終電まで1097本が運転を見合わせた。
新千歳空港発着便が全便欠航
北海道の玄関口である新千歳空港発着便は1度目の大雪でも欠航が発生し、70人が新千歳空港で夜を明かしていたが、2度目の大雪では1度目よりはるかに大きな影響が出た。
降り続く雪に滑走路の除雪が追いつかず、2月22日は新千歳空港を発着する全ての便が欠航となった。同日16時までの新千歳空港の24時間の積雪量は47cmと統計を取り始めてから最も多くなり、翌23日午前11時時点では積雪深は123cmに達した。
雪が降りすぎて捨てられなくなる
「雪を捨てる場所がない」と言っていたのは現地に住む筆者の親族の言葉だ。
そう、2度にわたる大雪がもたらしたのは交通の混乱だけではない。雪を捨てる雪堆積場がいっぱいになってしまったのだ。
[北海道新聞](https://www.hokkaido-np.co.jp/article/650367)によれば、札幌市内最大の雪堆積場「新琴似8横」には大量の雪が集められた結果、高さ30m、幅100mを超える巨大な雪山が形成されたという。当初の雪の搬入量(受け入れ量)は119万立方メートルだったのが、大雪の影響を受けて232万立方メートルまで増やし、このような大きな雪山を形成することになった。
度重なる大雪はなぜ起こった?
さて、2度にわたる大雪はなぜ起こったのか。
気象庁の見解によれば、今冬の大雪の原因は偏西風蛇行が原因だという。
偏西風が日本付近で南に蛇行し冬型の気圧配置が強まった結果、日本列島に強い寒気が流れ込みやすくなったのだそうだ。東日本・西日本では平均気温が平年より0.5度低かったという。
大雪を越えて、北海道にも春の気配が
このように、生活や交通に大きな影響を与えた2月の大雪。それでも3月を超え、ようやく北海道にも春の気配が近づきつつある。
気象庁の1ヶ月予報によれば、4月は南から暖かい空気が流れ込み、気温は平年より高くなるという。ようやく大雪からは解放されそうだ。
気温が高くなる分、雪崩には気を付けよう。
※画像はイメージです。
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