北海道に生息するクマゲラは日本最大級のキツツキの仲間です。そんなクマゲラの生態や分布、特徴などをご紹介いたします。また、北海道のどこへ行ったらクマゲラに会うことができるのかもお伝えしていきます!
クマゲラを知る・クマゲラの特徴
キツツキ目キツツキ科に属するクマゲラ。キツツキの中でも大きな体をしています。全長は約45センチ。アカゲラなど他のキツツキに比べて大きく目立ちます。翼を広げると60センチを越えるクマゲラ。一見するとカラスに見えなくもないですが、カラスよりも目の輪郭がはっきりしています。クマゲラの特徴として以下の4つが挙げられます。
- 頭部が赤い
- 黄色いくちばし
- 鳴き声
- 飛行模様
クマゲラのおもしろい鳴き声
クマゲラの鳴き声はとてもユニークです。かれらクマゲラは、比較的大きな声で甲高く、「キョーン」「キョーン」と区切るようにして鳴きます。また空を飛ぶときなどには「コロコロコロ」といった可愛らしい声で鳴いてみせます。雛が親鳥に対して鳴くときは「クイックイ」と声をあげるなど、状況によって鳴き方が変わります。
クマゲラの生態&分布
クマゲラは雑食性です。主にアリなどの昆虫を中心として食べ、果実などを食べることもあります。クマゲラの繁殖は4月から5月に行われます。繁殖期になると枝のない大樹に穴をあけて巣をつくり、そこで繫殖をします。北海道では主に「トドマツ」や「シラカバ」などの樹木で営巣をします。
クマゲラの天敵であるヘビやクロテンから卵を守るため、10メートル以上高さのある位置に巣をつくります。くちばしを器用に使い、直径約25〜60センチの深さのある穴をあけることが可能です。
クマゲラは波型飛行といって「波を描くようにフワフワ」と飛びます。季節による移動をしない留鳥のクマゲラは、ヨーロッパやアジア(北部)に分布しています。日本国内では北海道が主な生息地です。他にも東北地方のごく一部にのみ生息が確認されています。クマゲラの推定生息数は北海道に約500羽と、東北地方(本州)に100羽程度です。
クマゲラに会いたい!
クマゲラは希少な生きもので、国の天然記念物として指定されています。日本では北海道や東北でしか会うことが出来ません。
昭和45年頃までは北海道にしか生息していないと考えられてきたクマゲラですが、2022年現在では本州・東北地方の「青森県」「秋田県」「岩手県」にクマゲラの姿が確認されています。東北地方では主にブナ林に生息しているとされています。青森県なら白神山地が有名ですね。
一方の北海道では、秋や冬になると市街地でクマゲラに出会うこともあります。クマゲラは基本的に年間を通して観ることが可能です。以下に北海道でクマゲラに会える可能性の高い場所を4つご紹介します。北海道を訪れる際は是非ともクマゲラを探してみてくださいね。
- 野幌森林公園
- 北海道支笏湖(しこつこ)
- 高丘森林公園
- 旭山記念公園
さいごに
日本最大級のキツツキであるクマゲラ。
その表情はどこかあどけなく映ります。
実はキツツキという鳥は特定の個体を指すのではなく、木の幹に穴をあける鳥全般をいいます。木に穴をあけるその姿から「木突き」→「キツツキ」→「啄木鳥」となったのだそう。
そんなキツツキの仲間の中でも貴重なクマゲラ。北海道や東北の一部にしか生息していないとされるクマゲラの背景には、緑豊かな自然があります。
森と野鳥の関係は非常に興味深いものです。自然の象徴ともされるクマゲラ。実は北海道においては絶滅危惧種とされています。森林を守る。すると同時にクマゲラを守ることができる。これからも限りある資源を大切にしていきたいと再認識しました。
ちなみにクマゲラはアイヌの人たちから「チプ・タ・チカップ」と呼ばれているそうです。ヒグマの居場所を教えてくれたり、道案内をしてくれる神として崇められていたといいます。なんと頼もしい鳥なのでしょう。是非とも一度お目にかかりたい。北海道を訪れた際には筆者もクマゲラを探してみたいと思います。
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