南西部、日本海に面した寿都町。
寿都湾では「寿かき」と呼ばれる牡蠣が養殖されており、春の味覚として親しまれています。
寿都の牡蠣を目当てに、地元のかきを豪快に味わえる「寿都湾 元祖 かき小屋」を訪れる人も少なくありません。
現在の店舗は2018年に「スッツ・オイスター・ビレッジ」へ移転したものですが、その前から「かき小屋吉野商店」として営業していました。
寿都では、なぜ牡蠣が名物になったのでしょう?
長く地元で親しまれてきた「元祖かき小屋」とは、どのような店なのでしょう?
寿都町とかき
寿都町でかきの養殖が本格的に始まったのは、意外にもそれほど昔のことではありません。
1997年に寿都町漁業協同組合で、「寿都かき養殖部会」を設立しました。種苗を購入して養殖技術を整え、翌1998年から本格的な出荷を開始。
こうして生まれたのが、現在「寿かき」として知られているカキです。
寿かきの面白いところは、旬の時期です。北海道の日本海側では、4月から6月ごろに身入りがよくなります。
一般的にかきといえば冬のイメージがありますが、寿都では春が食べ頃。
2017年には「寿かき」の商標も登録されました。
私自身、寿都のかきを食べるまで「冬の食べ物」という感覚がありました。
春の海で育ったかきを味わえるというのは、ちょっと意外なところです。
期間限定の食べ放題
寿都町のかき小屋では、期間限定の食べ放題が名物だと聞いています。
せっかく訪れたからには、食べ放題に挑戦するしかありませんよね!
注文を済ませると、店員さんが大量のかきを運んできます。
目の前の巨大な鉄板に、スコップを使ってザーッと投入。鉄板いっぱいに殻付きのかきが並ぶ様子は、かなりの迫力。
これ、全部食べられるかな…思わずそう思ってしまうほどの量です。
広げたかきに大きなフタを被せ、一気に蒸し焼きにするのが、かき小屋の秘訣のようです。
しばらく待ってフタを開けると、大量の湯気とともに、磯の香りが広がります。
この蒸し焼きによって、カキの旨味を水分が逃げにくくなり、プリプリでジューシーな食感に仕上がるのだそうです。
実際に食べてみると、身はふっくらとしていて、甘みもしっかり感じられました。
そして、もうひとつ気になったのが牡蠣の臭みです。
ここでは、カキを海洋深層水(岩内深層水)をつかって畜養することで元気な状態に保ち、すっきりした味わいにつなげているそうです。
心配していた独特の臭みはほとんど気にならず、たくさん食べても胃がもたれにくいようなのです。
最初は食べ切れるか心配していたのに、気がつけば次々と手が伸びていき、カキって、こんなにおいしかったんだ!
このときの驚きは、今でも覚えています。
食べ放題攻略法

食べ放題は、45分間の一本勝負!
カキを蒸し上げる時間も含まれるため、何も考えずに食べ始めると意外と時間が足りなくなります。
まず覚えておきたいのが、最初の蒸し時間。
フタをしてから蒸し上がるまで、およそ10〜15分。この時間をただ待っているのはもったいない。
食べ放題にはかきめしと牡蠣スープも付いてきますので、蒸し上がるのを待っている間に、こちらを食べておくと時間を有効に使えますが・・・食べ放題にとっての罠になりますので要注意。
蒸し上がるまでは必要なタイムロスと考え、じっと耐えるのが最適と私は考えています。
むしろ、食べ始める前に道具の位置も整える為に使いましょう。
カキナイフは利き手側、牡蠣を押さえる手には軍手。殻を入れるバケツも、手を伸ばしやすい位置に置いておきます。これで準備完了!
蒸し上がったかきは殻が少し開いていることが多いため、その隙間を利用します。
片面が平らで、もう片面がふっくらと膨らんでいます。平らな面を上にして持ち、殻の縁にできた隙間を探します。そこへカキナイフを差し込み、上側の平らな殻の裏側に刃を沿わせるように動かして貝柱を切ります。
上の殻が外れたら、下の殻に残った貝柱もナイフで切り離します。これで身をきれいに取り出せます。
中には蒸し上がっても殻がガッチリ閉じたままのカキがありまが、力任せにこじ開けると、ナイフが滑って手をケガしたり、殻が砕けて身に混ざったりするので注意が必要です。
まずは殻がつながっている蝶番部分を狙います。牡蠣の先端にある蝶番の根元にカキナイフを差し込み、少しひねると殻を開けやすくなります。
それでも難しい場合は、平らな殻の外周部分をキッチンバサミなどで少し切りとって、できた隙間からカキナイフを差し込むと良いでしょう。
それでも開かない場合は、無理に開けようとせず、いったん鉄板に戻して追加加熱します。
平らな面を上にして鉄板に置き、数十秒から1分ほど加熱すると、熱によって貝柱が縮み、殻が開きやすくなることがあります。
食べ放題では、ひとつの牡蠣に時間をかけすぎないことも重要。
少し試して開かなければ、いったん別の牡蠣に移る。この判断も、45分間を無駄なく使うためのコツです。
次に重要なのが、追加注文のタイミング。
食べ放題では、鉄板の牡蠣がなくなってから追加を頼むと、次の牡蠣が蒸し上がるまで再び10分以上待つことになります。残りが少なくなってきた段階で、スタッフに次の牡蠣をお願いしておけば、待ち時間を減らせます。
そして最も重要といえるのが、最後まで飽きずに食べるための工夫。
いくら美味しいとはいえ、途中で飽きてしまうことがあり、そこで用したいのが味変。
店には醤油やレモン汁などが用意されていますが、調味料の持ち込みが認められています。
例えば、ポン酢、大根おろし、ゆず胡椒、タバスコ、マヨネーズ、チーズ、バター、チリソース、バジルソースなど、自分の好みに合わせて持っていけます。
最初は何もつけずに食べて牡蠣そのものの味を確かめ、途中からレモン汁やポン酢でさっぱりさせる。
さらにマヨネーズやチーズ、バターなどで味を変えていけば、同じ牡蠣でも印象が変わります。
二人以上で訪れた場合は、牡蠣を剥く人と食べる人を固定するのではなく、ある程度まとめて殻を開けてから交代する方法がおすすめです。
作業が途切れにくくなるので、試してみてもよいでしょう。
100均で揃えておきたい便利グッズ
食べ放題を快適に楽しむ為、事前に100円ショップで用意しておくと便利と思った物を紹介します。
まずあると便利なのが、厚手の使い捨てゴム手袋。
お店から軍手が用意される場合でも、カキから出る熱い汁や水分で手が濡れることがあり、ビチャビチャして不快。
ゴム手袋の上から軍手を着けておけば、熱さや汚れへの対策になります。
使い捨てエプロンもあると安心です。
牡蠣の殻を開けるときには、殻の中にたまった汁が飛ぶことがよくあります。
食べ放題では何個も牡蠣を開けるので、服を汚したくないなら用意しておいたほうがいいでしょう。
ウェットティッシュも忘れたくありません。牡蠣の汁や調味料で汚れてしまったとき、すぐに拭けるものが手元にあると便利です。
調味料を持ち込む場合は、お弁当用の小さなソースボトルやシリコンカップも使えます。
ポン酢やマヨネーズ、バジルソースなどを少量ずつ分けておけば、テーブルの上でも扱いやすくなります。
殻剥き用としては、小さめのキッチンバサミも候補になります。基本はカキナイフを使いますが、貝柱がうまく切れない場合や、殻の破片を取り除きたいときに役立ちます。
長めの竹串も、殻の奥に残った身を取り出すときに使えます。
食べ放題だからといって
これはあくまで「たくさん食べるため」の攻略法も考えてみましたが…。
食べ放題だからといって、ずっと全力で食べ続ける必要もありません。料金は大人4,600円(2026年現在)と決して安くはないので、たくさん食べたいという気持ちはよく分かります。
ただ、食べすぎて具合が悪くなり、それがトラウマになってカキを嫌いになったら本末転倒です。たくさん食べることに固執したり、調子に乗って周りに迷惑をかけたりするのもよくありません。
フードファイトではないので、自分のペースを守りながら、45分間を使い切るのが一番です。
カキそのもののおいしさはもちろん、目の前で豪快に鉄板へ並べられる光景、蒸し上がるのを待つワクワク感、熱々のカキを頬張る瞬間まで含めて、忘れられない思い出にしましょ?


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