繋がっていく北海道

九州で生まれ、親の転勤で北海道にやって来ました。
言葉使いや人との距離感がうまくつかめずにいましたが、ある事がきっかけで北海道が大好きになっていったのです。

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1人じゃない夏の始まり

札幌へやってきたばかりの大学一年生の頃。まだ友人と呼べるほど気安い仲間がいないままで、夏休みに入ってしまったのでした。
クラスメイト達がそれぞれの実家へ帰っていくなか、札幌の実家組は意外と少なくて、休みをきっかけに誰かと仲良くなるチャンスはないのか・・・とすこし落胆していたところです。

そんな私の気持ちを知っているかのように残っていたクラスメイトから、「中山峠を越えた先にふきだし公園があるから、ちょっと行ってみようよ」とドライブに誘われたのでした。

ふきだし公園のある京極町までは、札幌からはトイレ休憩を挟みながら片道およそ一時間でした。
最初のうちはお互いに何を話して良いか解らず黙り込んでいたのですが、ドライブの途中で思いもよらずに現れるシカや、途中で寄った中山峠の道の駅で食べた「あげいも」、北海道だからこその自然などがきっかけになり、公園に到着する頃には、お互いに昔からの友人の様になったいたのです。

ふきだし公園は名前の通りに湧水があちこちから吹き出し、小さな滝もあって、なんだか神秘的な感じがしました。
ここの水はそのまま飲めるので、ある人はコップですくいたての湧水を飲み、ある人は入れ物に持ち帰ったり。

何も準備をしていなかった私たちは途中で買ったペットボトルを洗って、湧水を汲んで飲んでみました。
「水の味の違いなんてわからない」と思っていましたが、初めて飲んだ湧水はキンと冷えていて、確かにまろやかなで美味しい。
「こんなに違うんだ!」と改めて感心し、格別な味わいだと実感した事を今でも忘れられません。

つながる道

ドライブを通して友人はできて、友人のそのまた友人へと知り合いの輪は広がっていき、そしてドライブの範囲もどんどん広がっていきました。

羊蹄山の向こう側にあるニセコ町、今では外国人達の多い町ですが一昔前はのどかなで、カントリー風のカフェに出かけてみれば、料理がとても美味しい。

摩周湖や支笏湖などでは、四季や天気により違う風景を楽しみ、温泉にもハマり、洞爺湖温泉、登別温泉、帯広のモール温泉と温泉郷を巡りと、皆でいろんな場所に出かけました。

点と点がつながっていくように人と人がつながり、北海道は唯一無二の大切な故郷となったのです。

※画像はイメージです。

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