これぞ北海道?!牧草ロールのひみつ

北海道の景色というと広い草原に牛と牧草ロール・・・を思い浮かべませんか?
ところで「牧草ロール」って一体何なのでしょうね?!

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牧草ロールの秘密

牧草ロールとは家畜の餌の牧草を丸めたもので、中身はイネ科の牧草やトウモロコシ、スーダン型ソルガムというのもあるそうです。
正式名称は「ロールベールラップサイロ」で、他にも「ラップサイレージ」や「ラップ乾草」等の呼び方があります。

作り方はまず、一番草は6月中旬頃、二番草は8月上旬から収穫し、天気をみながら3日間ぐらい乾燥させ、ロールベーラーなどの機械で円筒形に圧縮して巻いて成型します。これをロールベールといいます。
ロールベールをポリエチレンでできたラップで巻き上げ、牧草ロールとしては完成。
その後、だいたい4か月かけて発酵させ、長く雪に閉ざされる冬の間の貴重な飼料になります。

草だけで作られていても、大きさは約2メートル、重さは300キロ程もあり、さらに乳酸発酵(サイレージ発酵)を行って、貯蔵性を高めている飼料は水分を保っているためそれよりも重くなるそうです。

ここで北海道通の方ならお気づきかも知れません。
北海道の風景には牧場や牛舎の横にある円柱形の建物、サイロはワンセットのようにあるものだと思うでしょう。
あれは家畜の飼料を貯蔵する為にあるのですが、昨今では従来のタワー型サイロに代わり、取り扱いに便利で省力化が図られたロールベールラップサイロが主流となります。
つまりサイロは不要な存在となり、北海道の風景から消えていきつつあるのです。

ちなみに価格は、1ロールでおおよそ税別10,000円程が相場で、4頭の牛の1か月分の食事になるそうです。
あんな巨大な草の塊をたった1月で食べてしまう、牛の食事量ってハンパないとおもいません?

ロールの色の意味

この牧草ロール、みなさんはどんな色の牧草ロールをイメージしますか?
スタンダードな白や黒、白と黒のストライプ、時々ピンクや黄色なども見かけます。

そこで問題、色によって違いはあるのでしょうか?
牛だから白黒等の家畜によって色を変えている、カラスなどの害鳥を防ぐために派手な色をつかう、黒だと日光を集めて内部温度が上がるため発酵を促進する。
・・・・などなどとご想像すると思います。

どういう効果があるのかと専門家に聞いてみると、どれも違いはないと立証されているそうなのです。
価格に違いもないので、色による効果を信じている農家さん以外、個人的な趣味らしいのです。

ピンクや黄色は、派手好きなんでしょうね。

それ牧草ロールじゃないから

皆様、牧草ロールの事がだいぶ解ってきましたね。
車で移動中などに見かけて、「知ってる〜」なんて自慢したくなるかもしれませんが、注意してください。
それは本当に「牧草ロール」ですか?

なぜかと言えば、似たような「麦稈(ばっかん)ロール」があります。

見分け方は、「ラップで巻かれていない」と簡単ですが、初めてみた方は「麦稈ロール」も「牧草ロール」もどちらも同じと思ってしまいます。
ですが、麦稈ロールは小麦を収穫した後の麦わらを巻いたもので、牛などの寝床に使ったりするので用途が全く違うのです。

現に私も「麦稈ロール」を「牧草ロール」の違いを知らずに、酪農を営む知人に「はんかくさい」と事を言われた事が忘れられません。

牧草ロールが出現する時期は?

牧草ロールは北海道ならいつでも見られるという訳ではなく、見頃の時期があります。
7月上旬から8月中旬に、草原にコロコロと点在しています。麦稈ロールは小麦を収穫する初夏と秋に作られます。

タイミングが合えば作っている所が見られ、ロールベーラーから丸められたロールが出てくる様子がとてもおもしろいです。
傾斜地だと転がって作業している人が下敷きになったりしないかな?とちょっとヒヤヒヤしますが、ドサッと機械から出てくると丸い形なのでビクとも動かないのがすこし不思議におもいます。

ひとつ注意して頂きたい事があります。
牧草ロールが珍しいからといって、牧草地に入ったり、牧草ロールに乗ったりしないでください。
勝手に敷地に入っるのは不法侵入ですし、知らず知らずに口蹄疫などの病原菌を持ち込んでしまって、牧場に甚大な被害を及ぼすことがありますので、絶対やめてください。

北海道にぴったりの風景

いかがでしょうか?
北海道に移住して7年ほど経ちますが、今でも牧草ロールが草原にコロコロと点在している光景や牛が放牧されているのを見かけると「北海道だなぁ〜」ととてもうれしくなってしまいます。

道東に住んでいた時には、なぜか道端に麦稈ロールが1つ転がっていたりしました。
どこかから転がってきたのか?それは謎です?

では、大草原で大自然を満喫しに北海道に遊びにきてくださいね!

※画像はイメージです。

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