映画と歴史、炭鉱の盛衰の面影を覗かせる町「夕張」

無類の映画好きで、山田洋次監督のファンでもあり、特に高倉健と北海道が強く印象に残っている。
健さんが見たあの景色を実際に見てみたい・・・ここ十数年、中標津、増毛、幾寅、夕張と何度も北海道を訪れている。

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幸せの黄色いハンカチ想い出広場

新千歳空港から国道274号を東進。国道452号に入り北進する。清水沢から夕張〜岩見沢線をまっすぐ進み、平和運動公園を過ぎて狭い道を右折すると、幸せの黄色いハンカチ想い出広場に着く。

あの映画のラストシーンを思い出す・・・赤い車の中で、健さんが不安と期待の葛藤から顔を上げることができずにいる。
出所して何年も会っていない妻にまだひとりでいるのなら、夕張炭鉱街のかっての家の前に黄色いハンカチをかけていて欲しい。と連絡したもののいざその場に着くと怖くて見ることができない・・・。

見ると炭鉱長屋の先のこいのぼり柱にいっぱいの黄色いハンカチがかかっていた。
旅で出会った若い男女に背中を押されて、妻の元に歩いて行く・・・とても印象に残るあのシーン。

山田洋次監督はラストの五分に感動を与えてくれる。
ここにはそのままの長屋、そのままの黄色いハンカチが残されている。まさにあの景色が目の前にある。
思わず目頭を押さえてしまいハンカチを取り出す。これが見たかった。

資料館には当時の赤い車が展示され、周囲には黄色いメッセージカードが壁や天井いっぱいに張り巡らされていた。

炭鉱の盛衰と歴史の面影

車に戻り更に北進すると夕張の街並みが見えてくる。
かっては炭鉱の街として栄え隆盛を誇った街が今はどことなく寂しげな姿を見せている。

車の速度を落として進み、夕張岩見沢線から鋭角に道を曲がると、ゆうばりキネマ街道と道の脇に一文字づつの看板が見えてくる。
街のあちらこちらに、色あせた大きな映画の看板かけてある。民家や店の壁一面にたくさんの映画看板。

洋画はあまりみないが太陽がいっぱいの有名なヨットのシーンは知っている。
アランドロンの陰の残る表情が事件の悲惨さをものがたる。小高い丘の斜面にこれも古い木造家屋がそのまま残されている。

当時の炭坑夫の生活をかいまみることができる。
炭鉱が栄えていた頃は、この辺りにも子供たちや買い物帰りの人たちが、笑いながら話し込む姿もあったのであろう。
しみじみとした郷愁が胸の奥でうずまく。これが歴史なのだ。

風情があるなどと一言で片付けてしまうのは、夕張の街に失礼である。

カレーそばのボリュームと炭坑夫

空腹を覚えたので近くのそば処に入った。夕張名物のカレーそばがあるという。迷わず注文。
かつおだし・・・と思われる・・・そばのスープとスパイシーなカレーが絶妙。しかもスープの量が多い。

丼にギリギリまで盛られたスープはボリュームあり。
かっての炭坑夫たちも、このそばで腹を満たしていたのかも知れない。腹ごしらえを済ませ、車を次の目的地へ走らせた。

夕張の魅力

夕張というとメロンが真っ先に思い立つが、反映していた頃の炭鉱の歴史をかいまみせる、とても素敵な街並みがあることを忘れないでいたい。

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