地域の食品廃棄物を活用、 安全な飼料で育ったアンガス牛を地元の名産に

食品廃棄物問題が深刻化する中、地域の農家や企業、行政と連携して最終処分量を減少させている北海道北広島市の合名会社宮北牧場は、その食品廃棄物を活用した安全な国産飼料で育ったアンガス牛を使用した新製品を2021年10月16日(土)より販売開始しました。

深刻な食品の廃棄物問題

日本国内では年間約612万トン(2017年度推計値)の食品廃棄物が発生しています。これは世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた食料援助量である390万トンの約2倍です。国内の食品廃棄物は、外食産業と食品製造業だけでも3分の1以上を占めています。特に食品製造業では、加工の際に出る不要な部位や返品で廃棄されるものが大多数です。

現在、国はグリーン社会の実現や持続可能な開発目標SDGsを推進しています。それにより企業には食品の最終処分量を減少させるため、飼料や肥料等への利用、熱回収等の再生利用が求められています。しかし、食品廃棄物減量の取組みは企業単位では難しい現状があります。その結果、焼却や埋め立てに頼らざるを得なくなり、CO2の発生や最終処分場の限界などが問題になっています。

地域の食品廃棄物を減らす仕組みを構築

そんな中、北海道北広島市の宮北牧場が中心となり、地域の食品廃棄物を有効利用し廃棄を減らす仕組みを作っています。年間多額の費用をかけて廃棄していた1,000トン以上のジャガイモの皮をコロッケ製造会社から回収し、アンガス牛の飼料に加えています。また、醤油工場の搾りかす、豆腐工場のおから、地元農家からは規格外の野菜などを回収し、ビール工場からはビールの搾りかすも回収しています。実はこの酵母菌を含む搾りかすを混ぜて発酵させると、牛には消化しやすい良質な飼料になるのです。

畜産の廃棄物である牛糞は、地元の稲作農家で良質な堆肥として利用されます。そして、その農家からは、育てられたコメの廃棄物であるもみ殻を回収し、アンガス牛の寝床として利用しています。このように、この地域では周辺の食品工場から出る廃棄物を有効利用し、極限まで減らす仕組みを作っています。そして飼料も国産100%にする事で、畜産業の廃棄物も「持続可能な有効利用の仕組み」に組込み、安心・安全でおいしい牛肉製品を作り出しています。

地域の食の安全を守る、国産飼料100%で地元の名産品を

宮北牧場が掛け合っても最初は相手にされない企業もありました。中には半年間かけて説得することもありましたが、少しずつ他の会社とも地域の食品廃棄物を回収する仕組みを創り上げていきました。元々、宮北牧場は現社長の曾祖父が屯田兵として入植、開拓してから代々、厳しい気候と限られた資源しかないこの土地で、地域に支えられて持続可能な畜産を目指してきました。そして20年ほど前に起きたBES問題をきっかけに、「地産地消と安全な国産飼料100%へのこだわり」という目標のもと新たな時代の持続可能な畜産を開始しました。その結果行き着いたのが、牧草や北海道産子実コーンなどの国産飼料に加え、地域の食品廃棄物の有効利用でした。

この地域での取り組みには、北広島市とも連携をとっています。製品は北広島市のふるさと納税の返礼品に選定されたり、農政課とは緊密に連絡を取り合いながら「地域のSDGs活動」に取り組んでいます。その結果、今年の2月には農林水産省、消費者庁、環境省が主催する「あふの環(わ)2030プロジェクト」で、パルシステムの組織の中の一員としての活動が認められ、サステナアワード2020 SDGs賞を受賞しました。農家との協力体制やその肉質の良さも、地元の新聞で報道されています。

このアンガス牛の製品は、その限られた生産量のため、通常は宮北牧場のホームページでしか入手できません。そのため将来は、地元の人々が手軽に入手できる様に、牧場前の自動販売機で販売する事を考えています。また、アンガス牛の飼育と共に、この様な廃棄物の有効利用の仕組みが、日本各地に広がる事も望んでいます。

製品情報

北海道北広島産ブラックアンガス牛の新製品 10月16日より発売開始

・ステーキ用製品
ヒレ(200g×1)2,000円、リブロース(200g×1)1,900円、サーロイン(200g×1)2,100円

・焼き肉用スライス製品
肩ロース(200g×1)1,480円、モモ・ウデ・バラのミックス(250g×1)1,280円

※金額は全て税込となっています。

製品販売ページはこちらから

会社概要

合名会社宮北牧場
代表:宮北 輝
事業内容:牛の繁殖・肥育、加工品の販売
所在地:〒061-1264 北海道北広島市輪厚518番地4
TEL:011-376-2430 / FAX:011-376-2436
URL : https://miyakita-farm.com/